近畿大学理工学部物理学コースの量子制御研究室、量子多体物理学研究室、物性理論研究室が合同で運営する量子物理学および量子技術に関するセミナーです。学期中は基本的に毎週水曜日10:45-12:15に開催しています。

今後の予定

2021年度


日時: 2022年1月26日9:00-12:45

教室: 31号館3F 31-301教室 + Zoomでのオンライン配信

発表者1: 田守 大悟(物性理論)

題目: 1次元フェルミ超流動体におけるダークソリトンのシミュレーション

概要: 超流動フェルミガス中では秩序変数が有限になればソリトンや渦のような位相欠陥が表れることが知られている。また、秩序変数が0になるような点が存在するソリトンはダークソリトンと呼ばれている。卒業研究では、冷却原子フェルミ気体のダークソリトンの問題を考える。まず、一様空間で、第二量子化されたBCS波動関数からギャップ関数Δ、粒子数密度が従う方程式を導き出し、Δと化学ポテンシャルμのBCS-BECクロスオーバー領域の振る舞いを再現した。次に1次元空間を考え、非一様系に適応されたボゴリウボフ-デ・ジェンヌ方程式を解くことで同様にΔ、μのBCS-BECクロスオーバー領域の振る舞いを再現し比較した。また、先行研究で示された3次元におけるBCS-BECクロスオーバーに沿った超流動フェルミガス中のソリトンの構造を、1次元空間で考えボゴリウボフ-デ・ジェンヌ方程式を解き、秩序パラメータの奇パリティをもつ解を探すことで調べ、1次元フェルミ超流動体に存在するソリトンの先行研究との比較を議論した。


発表者2: 千葉 晃平(物性理論)

題目: 2成分ボースアインシュタイン凝縮体で生成されるmassive-vortexの運動

概要: 2成分ボースアインシュタイン凝縮体で、回転を持った成分が作る渦芯をもう一つの回転を持たない成分が埋めてできるmassive-vortexの運動を調べた。そのために先行研究から、円筒容器中の回転を持つ単一成分の持つボースアインシュタイン凝縮体では渦芯が円筒の中心にあるときがエネルギー的に安定であり、中心からずれば場所に位置する渦は実時間発展で凝縮体密度の中心を原点として歳差運動をすることを紹介する。そのあとmassive-vortexの渦芯を埋める成分の粒子数や、回転を持つ成分の渦芯の位置を変えたときの周期や軌道をGross-Pitaevskii方程式の数値計算を用いて調べたのでその結果を紹介する。


発表者3: 中川 寛太(物性理論)

題目: 相転移の物理学

概要: 物質の性質が急激に変化する相転移は巨視的な系に現れる熱力学現象であり、その発生機構は系の微視的な性質と深く結びついている。その相転移を研究する統計力学の方法論として平均場近似やマルコフ連鎖モンテカルロ法がよく用いられる。本研究では、解析のモデルを2次元イジング模型と2次元XY模型とし、これらで起こる相転移の物理について説明していくことを目的とする。


発表者4: 安藤 耕平(物性理論)

題目: 機械学習を用いたイジング模型の相構造の研究

概要: 本研究では、2次元正方イジング模型をpythonで作成し、機械学習を用いてスピンの振る舞いを学習させることで相転移を見つける。それを応用して、そこから模型を2次元反強磁性三角格子のイジング模型に拡張した。しかし、反強磁性相互作用の2次元三角格子はフラストレーションが生じてしまう模型なので、基底状態が決まらず有限温度では相転移が存在しないことが知られている。しかし、低温領域に比熱のピークが存在することが知られており、そのピークの高温側と低温側でスピンの相関関数を計算することで、相の性質を明らかにする。また、比熱のピークの前後でのスピンの振る舞いを機械学習させることによって相の分類が可能であるかを調べる。


発表者5: 中村 昌樹(物性理論)

題目: BCS-BECクロスオーバー領域のフェルミ超流動体における渦の生成と臨界速度

概要: 本研究ではBEC-BCSクロスオーバー領域の冷却原子気体フェルミ超流動体における渦の生成と臨界速度の観測と考察を目的とする。超流動現象には流れの安定性・不安定性という問題があり、臨界速度が存在する。ある臨界速度以上で流れると超流動体は素励起を放出し、流れは減衰する。この臨界速度を数値実験から観測する。まず、フェルミ超流動体における超流動臨界速度の測定実験の先行研究を紹介したうえで、本研究で行った数値計算について説明する。本研究ではフェルミ粒子系で応用できるようにした非線形シュレーディンガー方程式を使用した。この方程式を用いてフェルミ超流動体内に物体ポテンシャルを挿入し、超流動の中心に沿って一定の速度で動かす計算を行う。その間に生成された渦を観測する。この応用した方程式がどの程度測定実験の再現ができ、数値計算に活用できるかも検討する。


日時: 2022年1月27日10:45-12:15、15:00-18:15

教室: 31号館3F 31-301教室 + Zoomでのオンライン配信

発表者1: 宮本 啓汰(物性理論)

題目: 回転するフェルミオンの超流動体における量子渦格子の研究

概要: 超流動とは、低温で流体が他の物体と接触しているのにもかかわらず、摩擦なしに流れる現象である。1938年にKapitzaたちによって液体ヘリウム(He4)の超流動が発見され、そのあとに様々な研究が進んだ。冷却原子気体における超流動の研究では、ボーズ粒子系とフェルミ粒子系の両方で量子渦が実験的に観測された。回転する冷却原子気体中の量子渦は、超流動を記述する巨視的な波動関数が存在することの直接的な結果であるため、超流動の決定的な証拠となる。
 フェルミ超流動体の流体の運動を記述する理論的な定式化は確立していない。本研究では、フェルミオン超流体に適用したGross-Pitaevskii方程式(非線形シュレーディンガー方程式)を用いた数値的な計算で量子渦格子を再現し、実際に行われた実験で観測された量子渦格子を比較する。そして、この理論の定式化がフェルミオンの超流体に対するモデル理論として妥当かを検証する


発表者2: 岡田 茉樹(物性理論)

題目: 2成分Bose-Einstein凝縮体中の渦糸におけるKelvin波について

概要: Bose-Einstein凝縮(BEC)とは、1925年にBoseとEinsteinが予言した現象であり、ある転移温度以下で巨視的な数のBose粒子が単一の量子状態に凝縮する現象のことである。Bose-Einstein凝縮を起こした量子凝縮系では、量子渦と呼ばれる位相欠陥が存在する。1本の量子渦の渦糸上に励起されたKelvin波は、沢山の量子渦が絡み合った量子乱流が減衰するメカニズムと関連することが知られている。しかし、2成分BECでは異成分間の相互作用が存在し、それがKelvin波の性質にどのような影響を及ぼすかは自明ではない問題である。本研究では、異成分の原子間相互作用の強さを変えながら2成分BECのKelvin波の分散関係を導出し、1成分BECのKelvin波の分散関係と比較することにより、2成分BECのKelvin波特有の性質を考察することを目的とする。


発表者3: 木屋 晴貴(量子制御)

題目: オフレゾナンス・エラーに耐性を持つ対称な複合量子ゲート

概要: 量子状態の制御(量子制御)は工学や医療など様々な分野で行われている。近年注目されている量子コンピュータは、従来のコンピュータのビットを拡張した量子ビット(Qubit)を量子ゲートによって制御する。量子制御を行う上で問題となる系統的なエラーのうちPulse Length Error(PLE)に関してはよく研究がなされていて、PLEに耐性を持つ複数の複合量子ゲートが見つかっている。だが、Off-Resonance Error(ORE)に耐性を持つ複合量子ゲートはCORPSEと呼ばれるものしか使われていない。本研究ではCORPSE以外にもOREに耐性を持つ複合量子ゲートを見つけるためにしらみつぶしに探索し、複数存在することを確認した。本発表では、1~Qubitを制御する、3つの基本ゲートからなり、OREに耐性を持つ対称な複合量子ゲートの系統的な構成法を示す。その上で、それらの複合量子ゲートの性能について評価する。


発表者4:  片山 舞人(量子多体)

題目: 光格子を用いてMaple leaf格子中のBose粒子系を実現する方法の提案

概要: 1995年の冷却原子系におけるボース・アインシュタイン凝縮体が実現されて以降、この系を舞台として超流動現象などの量子物性が世界中で盛んに研究されている。近年になって光格子の高速振動や負の絶対温度を用いて、ホッピングJの符号を反転させることが可能となった[1,2]。ホッピング符号反転と三角光格子を組み合わせることで、人工的に幾何学的フラストレーションを持つ系が実現され[1]、その系で超流動現象が盛んに研究されている。

 Maple leaf格子では6つのエネルギーバンドが存在することが知られている。そして、K点での基底状態の位相の向きは三角格子特有の120°構造だけではなく150°、90°の位相差が存在する[3]。本研究では、周期の異なる三角光格子を2枚重ねることでMaple leaf型の光格子を実現できることを提案する。光格子ポテンシャル中の1粒子に対するSchrödinger方程式を数値的に解き、その固有エネルギーと固有関数を用いて、光格子中の冷却気体を記述するHubbard型の模型を導出することができる[4]。今回の発表では、Maple leaf型の光格子に対して解析を実行する準備として、Dimerized lattice、三角格子、カゴメ格子に対してHubbard模型のホッピングパラメータを導出する。

 

[1] J. Struck et al., Science, 333, 996 (2011).

[2] S. Braun et al., Science, 339, 52 (2013).

[3] D. Schmalfuß et al., PHYSICAL REVIEW B, 65, 224405 (2002)

[4] Hideki Ozawa, PhD thesis, Department of Physics, Kyoto University (2018)


発表者5:  中村 優希(量子多体)

題目: TBA

概要: TBA


発表者6:  數田 裕紀(量子多体)

題目: TBA

概要: TBA


日時: 2022年1月27日9:00-12:15

教室: 31号館3F 31-401教室 + Zoomでのオンライン配信

発表者1:  田中 貴之(量子多体)

題目: TBA

概要: TBA


発表者2:  神田 大樹(量子多体)

題目: イオントラップ系における局在フォノンの超流動現象の発現機構

概要: 理想Bose気体が転移温度以下になると、Bose-Einstein-condensation (BEC)を起こすことはよく知られている。しかしながら、理想Bose気体は粒子間の相互作用は含まれておらず、Bose気体である冷却原子気体や液体ヘリウムの超流動現象を説明することはできない。BECしたマクロな数の粒子が同じ振る舞いを起こすことに加えて、原子間に斥力相互作用が働くことが、超流動現象を起こす要因となっている。冷却原子気体と液体ヘリウムでは原子間に斥力相互作用が働くため圧縮率が正の値となる。結果として、散乱体がある場合も原子の散乱は起こりにくくなり、マクロな現象として超流動現象が現れる。

一方で、トラップされたイオン集団を記述するJaynes-Cummings-Hubbard(JCH)模型では、各イオンの振動状態をフォノン、2つの内部状態を量子ビットとして扱う。この二つの自由度がレッドサイドバンド近くに同調したレーザーによって結合されている。先行研究[1]で、JCH模型で記述されるフォトンが超流動性を持つことが予想される。JCH模型は冷却原子や液体ヘリウムとは異なり、Bose粒子間の相互作用はなく、上述のサイドバンド結合があり、この効果で超流動性が現れていると予想される。本研究では、イオントラップ系のフォノンの超流動性の発現機構を明らかにするために、JCH 模型のBEC 状態の圧縮率を解析的に計算する。具体的には、サイドバンド結合(強度をJabとする)を摂動として扱うことで平均場方程式の定常解を求める。結果として、圧縮率がJabの4 乗に比例すること、サイドバンド結合が実行的な粒子間相互作用も担っていることを明らかにする。JCH 模型の量子ビットを相互作用するソフトコアボソンに置き換えた模型を解析してJCH 模型と比較することで、成分間の結合と実行的な粒子間相互作用の両方が超流動性の発現に必要であることを示す。

[1] Peter Pippan, Hans Gerd Evertz, and Martin Hohenadler, “Excitation spectra of strongly correlated lattice bosons and polaritons”, Phys. Rev. A 80, 033612 (2009).


発表者3:  宮井 誠一郎(量子多体)

題目: 2次元量子Ising模型における相関伝搬速度の近似手法を用いた解析に向けて

概要: 量子シミュレーションとは、興味の対象の量子多体系を制御性の高い別の量子多体系で再現することを意味する。1981年のFeynmanによる最初の提唱以来、今日までにさまざまな実験系を用いて量子シミュレーションが実現されてきた[1]。ここ数年で大きな発展が見られたのが光ピンセットで個別に捕捉したRydberg原子系によるもので[2]、この系を用いて256サイトもの大きなシステムサイズの2次元量子イジング模型が実装されている[3]。この量子シミュレータは特に非平衡ダイナミクスの解析に優位性を持っており、古典計算機で解析できない大きな系の長時間ダイナミクスにアクセスできる。

量子多体系における興味深い非平衡ダイナミクスの一つとして、相関の伝搬が挙げられる。例えば、横磁場量子イジング模型で、あるサイトに摂動を加えると、その影響は有限の速度で広がっていく。この相関の伝搬速度の上限がどれくらいになるかは1次元の場合は厳密に解けるが[4]、2次元の場合は厳密に解くことはできない。

 本研究ではRydberg原子系の量子シミュレーションによって実現される2次元量子Ising模型において、スピン波近似に量子補正を加えることで、より正確な相関伝搬速度の目安を与えることを目的としている。本発表ではそのための準備段階として、Rydberg原子集団の量子シミュレーションによって実現される縦横磁場反強磁性Ising模型を紹介し、平均場近似を用いて量子相転移を説明する。加えて、解析的な手法で定量的な解析が可能な1次元系の相関伝搬に関する先行研究をおさらいする[4]。具体的には、横磁場Ising模型における群速度の上限と磁気秩序側および常磁性側の異時刻2点相関の解析的表式を導出する。

[1] Feynman, Richard P. “Simulating physics with computers.” Int. J. Theor. Phys 21.6/7 (1999)

[2] A. Browaeys and T. Lahaye, Nat. Phys. 16, 132 (2020)

[3] S. Ebadi et al., Nature 595, 227 (2021)

[4] S. Sachdev, “Quantum Phase Transitions” (Cambridge University Press, Cambridge, 2011)

日時: 2022年2月9日10:45-

教室: 31号館3F 31-302教室 + Zoomでのオンライン配信

発表者: 金子 隆威(量子多体)

題目: TBA

概要: TBA


 

過去の講演

2021年度前期

日時:2021年4月14日10:45-

教室:31号館8F 31-808教室 + Zoomによるオンライン配信

発表者:小久保 治哉(物性理論)

題目:Wave pattern formation of quantum Kelvin-Helmholtz instability in binary superfluids

概要:Kelvin-Helmholtz instability (KHI) is an instability of an interface in phase separated two component fluids with relative velocity. Sinusoidal growth appears at the interface over time, forming a large spiral structure by this instability [1]. A Weber number is a dimensionless number defined by the ratio of the inertial force of the fluid to the surface tension. This number can characterize the dynamics of interface growth driven by the KHI [2].

An interface in a superfluid causes a phenomenon similar to KHI, and in fact, it has been studied experimentally in a superfluid He [3]. In a Bose-Einstein condensate (BEC) of ultra cold atoms, the dissipation mechanism can be approximately ignored, and thus an instability phenomenon similar to the dynamic instability in the ideal classical fluid can be seen. The KHI in BECs has been studied theoretically [4].

In this talk, we will show that the pattern forming dynamics caused by the KHI can be classified by the Weber number defined for two component superfluids with a relative velocity. This Weber number(We) can be written the ratio an interface thickness to the wave length of the most unstable mode of the KHI in a superfluid. On We << 1, an interface forms finger pattern. On We >> 1, an interface forms either sealskin pattern or zipper pattern depending on the interface thickness.

[1]Hydrokinetic solutions and observations. Kelvin, Load (William Thomson), Phil. Mag. (4), vol.42, 362-377.
[2]Simulation Of Viscous Stabilization Of Kelvin- Helmholtz Instability. AT Dinh, et al., Advances in Fluid Mechanics III
[3]Shear Flow and Kelvin-Helmholtz Instability in Superfluids R. Blaauwgeers, et al. PRL 89, 155301
[4]Quantum Kelvin-Helmholtz instability in phase-separated two-component Bose-Einstein condensates Hiromitsu Takeuchi, et al. PRB 81, 094517


日時:2021年4月21日9:00-

教室:Zoomによるオンライン配信

発表者:飯ヶ谷 清仁(California Institute of Technology)

題目:Neural principles of subjective value construction

概要:It is an open question how humans construct the subjective value of complex objects (stimuli), such as artistic paintings or photographs. While great progress has been made toward understanding how the brain adjusts the value of objects through reinforcement-learning, little is known about how the value arises in the brain in the first place. Here, we propose and provide evidence that the brain constructs the value of a novel stimulus by extracting and assembling common features. Notably, because those features are shared across a broad range of stimuli, we show that simple linear regression in the feature space can work as a single neural mechanism to construct the value across stimulus domains. In large-scale behavioral experiments with human participants, we show that a simple model of feature abstraction and linear summation can predict the subjective value of paintings, photographs, as well as shopping items whose values change according to different goals. The model shows a remarkable generalization across stimulus types and participants, e.g. when trained on liking ratings for photographs, the model successfully predicts a completely different set of art painting ratings. Also, we show that these general features emerge through image recognition training in a deep convolutional neural network, without explicit training on the features, suggesting that features relevant for value computation arise through natural experience. Furthermore, using fMRI, we found evidence that the brain actually performs value computation hierarchically by transforming low-level visual features into high-level abstract features which in turn are transformed into valuation. We conclude the feature-based value computation is a general neural principle enabling us to make flexible and reliable value computations for a wide range of complex stimuli.

公式には近畿大学大学院総合理工学研究科学際セミナーとして開催。


日時:2021年5月12日10:45-

教室:31号館8F 31-808教室 + Zoomによるオンライン配信

発表者:後藤 慎平(量子多体)

題目:How to make typical(-like) states from product states

概要:Recent improvements of imaginary time evolution algorithm in quantum circuits have triggered the development of an algorithm for simulating quantum many-body systems at finite temperatures [1], which has been considered very difficult even in quantum computations. Such an algorithm uses the random sampling of initial product states to evaluate the trace of operators.
In this talk, we show that the trace evaluation based on the random sampling of initial product states could lead to severe inefficiency in 100-qubit scale systems [2]. In order to resolve the sampling inefficiency, we propose two methods: One is effective in classical computers, and the other is designed for fault-tolerant quantum computers.[1] Shi-Ning Sun et al., PRX Quantum 2, 010317 (2021).
[2] Shimpei Goto, Ryui Kaneko, and Ippei Danshita, arXiv:2103.04515.


日時:2021年5月19日10:45-

教室:31号館8F 31-808教室 + Zoomによるオンライン配信

発表者:久木田 真吾(量子制御)

題目:Heisenberg-limited quantum metrology by collective dephasing

概要:The goal of quantum metrology is the precise estimation of physical parameters using quantum properties such as entanglement. This estimation usually consists of three steps: initial state preparation, time evolution during which information of the parameters is imprinted in the state, and readout of the state. Decoherence during the time evolution typically degrades the performance of quantum metrology and is considered to be one of the major obstacles to realizing entanglement-enhanced sensing. We show, however, that under suitable conditions, this decoherence can be exploited to improve the sensitivity [1]. In this talk, I will introduce a sensing scheme utilizing Markovian collective dephasing. Assume that we have two axes, and our aim is to estimate the relative angle between them. Our results reveal that the use of Markvoian collective dephasing to estimate the relative angle between the two directions affords Heisenberg-limited sensitivity. Moreover, our scheme is robust against environmental noise: it is possible to achieve the Heisenberg limit even under the effect of independent dephasing.

[1]: arXiv:2103.11612 [quant-ph]


日時:2021年5月26日10:45-

教室:31号館8F 31-808教室 + Zoomによるオンライン配信

発表者:近藤 康(量子制御)

題目:Quantum Zeno-effect realized in NMR

概要:A quantum Zeno-effect is a very counter-intuitive phenomenon and illustrates a difference between classical and quantum measurements: The measurements can be performed without disturbing a system of interest in classical mechanics, while it is not the case in quantum mechanics. We discuss a quantum Zeno-effect experiment realized with a standard high precision NMR spectrometer at Kindai University [1].

[1] Y. Kondo, Y. Matsuzaki, K. Matsushima, and J. G. Filgueiras; New J. Phys. 18, 013033 (2016).


日時:2021年6月2日10:45-

教室:31号館8F 31-808教室 + Zoomによるオンライン配信

発表者:金子 隆威(量子多体)

題目:Tensor-network study of quench dynamics of antiferromagnetic correlations in a two-dimensional quantum Ising model

概要:Quantum simulators using Rydberg atom arrays have attracted growing interest owing to rapid technological advances [1]. The Rydberg atom arrays can realize the quantum Ising model, which is a fundamental model in statistical physics. Quench dynamics of antiferromagnetic correlations have been observed in the two-dimensional Ising systems [2,3]. Very recently, the number of controllable atoms has exceeded 200 [4,5]. On the other hand, it is also necessary to confirm the validity of the experimental results by numerical simulations on classical computers. To this end, we have applied the tensor-network method [6,7] using projected entangled pair states (PEPS) [8,9], which can handle infinite two-dimensional systems. We have calculated the real-time evolution of antiferromagnetic correlations in the quantum Ising model when the system is quenched from a disordered state. We have found that the estimated phase velocity is maximized locally near the transition point of the ground state phase diagram.

[1] A. Browaeys and T. Lahaye, Nat. Phys. 16, 132 (2020).
[2] E. Guardado-Sanche et al., Phys. Rev. X 8, 021069 (2018).
[3] V. Lienhard et al., Phys. Rev. X 8, 021070 (2018).
[4] S. Ebadi et al., arXiv:2012.12281.
[5] D. Bluvstein et al., Science 371, 1355 (2021).
[6] C. Hubig and J. I. Cirac, SciPost Phys. 6, 031 (2019).
[7] P. Czarnik et al., Phys. Rev. B 99, 035115 (2019).
[8] T. Nishino et al., Prog. Theor. Phys. 105, 409 (2001).
[9] F. Verstraete, J. I. Cirac, arXiv:cond-mat/0407066.


日時:2021年6月9日10:45-

教室:31号館8F 31-808教室 + Zoomによるオンライン配信

発表者:Mikkelsen, Mathias(量子多体)

題目:Connecting scrambling and work statistics in the interacting harmonic oscillator

概要:The non-equilibrium excitations created by sudden changes in the physical parameters of a quantum system (quenches) are well-described by the work probability distribution which establishes a connection to thermodynamics quantities such as the irreversible work [1]. The work probability distribution is closely related to the delocalisation of the initial state in the eigenspace of the final Hamiltonian. A different measure of delocalisation, namely the dynamic delocalisation of operators in Hilbert space, known as scrambling, has seen a lot of interest for interacting systems in the last 5 years [2]. The scrambling can be quantified by so-called out of-time order correlators (OTOCs). Some specific OTOCs associated with an Ising spin-chain have been measured in an ion setup [3]. Such measurements involve a time-reversal of the Hamiltonian, however, and are therefore very difficult for general continuum systems due to the kinetic energy term.In our work [4] we investigate interacting particles in a harmonic oscillator after a quench of the trapping frequency, utilizing numeric solutions for up to 5 particles and fully analytic solutions for 2 particles. We show that the scrambling of the single-particle canonical operators is closely related to the work probability distribution, particularly that the infinite-time average of the scrambling is proportional to the work fluctuations. Furthermore we show that our results can be extrapolated to N particles. This further elucidates the role of irreversibility, which is closely related to scrambling, in the quench and links the scrambling to an experimentally accessible quantity, namely the work statistics [5] for an important continuum system.

[1] M. Á. García-March, T. Fogarty, S. Campbell, T. Busch, and M. Paternostro, New J. Phys. 18, 103035 (2016)
[2] B. Swingle, Nat. Phys. 14, 988–990 (2018).
[3] M. Gärttner, J. G. Bohnet, A. Safavi-Naini, M. L. Wall, J. J. Bollinger, and A. M.Rey, Nat. Phys. 13, 781–786 (2017).
[4] M. Mikkelsen, T. Fogarty and Th. Busch, arXiv:2009.14478 (2020)
*note that this currently only has the 2-particle solution, will be updated soon.
[5] M. Cetina, M. Jag, R. S. Lous, I. Fritsche, J. T. M. Walraven, R. Grimm, J. Levinsen, M. M. Parish, R. Schmidt, M. Knap, and E. Demler, Science 354, 96 (2016)


日時:2021年6月16日10:45-

教室:31号館8F 31-808教室 + Zoomによるオンライン配信

発表者:段下 一平(量子多体)

題目:Superfluidity of two-orbital Bose gases in optical lattices

概要:Recent experiments have used two-component bosonic atoms in state-dependent optical lattices in order to realize two-orbital Bose gases [1,2]. In this kind of systems, one can induce orbital hybridization by making Rabi coupling between the two internal states of the atom through microwaves [1] or lasers [2]. In this study, we study superfluidity of the two-orbital Bose gases in a situation that one component is delocalized all over the system while the other is localized by a deep optical lattice. We analyze the two-orbital Bose-Hubbard model within the Gross-Pitaevskii mean-field theory and calculate the nonlinear band structure of the energy by using the pseudo-arclength method [3]. We find three different cases with respect to the breakdown of a supercurrent. In one of the cases, when the strength of the orbital hybridization increases, a transition from a superfluid to another superfluid occurs. We discuss how to realize this transition in future experiments.

[1] L. Krinner, M. Stewart, A. Pazmino, J. Kwon, and D. Schneble, Nature 559, 589 (2018).

[2] L. Riegger, Ph.D. Thesis (2019).

[3] M. Kunimi and Y. Kato, Phys. Rev. A 91, 053608 (2015).


日時:2021年6月23日10:45-

教室:31号館8F 31-808教室 + Zoomによるオンライン配信

発表者:鏡原 大地(量子多体)

題目:BCS-BEC crossover of an ultracold Fermi gas in state-dependent optical lattices

概要:Recent experimental developments in ultracold atomic physics enable us to simulate various interesting many-body systems. State-dependent optical lattices make it possible to realize the Hubbard model whose hopping amplitudes depend on atomic internal states [1,2]. Furthermore, one can induce orbital hybridization via Rabi coupling between two internal states by microwaves or lasers [1,2].
In this work, we investigate the superfluid properties of a Fermi gas with attractive interaction in the state-dependent lattices. We consider the so-called Bardeen-Cooper-Schrieffer(BCS)-Bose-Einstein Condensate(BEC) crossover phenomena at absolute zero temperature. We discuss how differences in hopping amplitudes and hybridization affect superfluid properties. We also discuss possibilities of realization of breached-pair (Sarma) phase which is suggested to realize in this system [3].

[1] L. Krinner, M. Stewart, A. Pazmino, J. Kwon, and D. Schneble, Nature 559, 589 (2018).
[2] L. Riegger, Ph.D. Thesis (2019).
[3] W. V. Liu, F. Wilczek, and P. Zoller, Phys. Rev. A 70, 033603 (2004).


日時:2021年6月30日10:45-

教室:31号館8F 31-808教室 + Zoomによるオンライン配信

発表者:笠松 健一(物性理論)

題目:On truncated Wigner methods for compact U(1) and SU(2) variables

概要:The purpose of this study is to explore real time dynamics of quantum systems described by dynamical variables in compact U(1) or SU(2) groups. We employ the truncated Wigner approximation (TWA), which includes quantum correction to the classical mean-field trajectory, demonstrating it by using a few spin-1/2 system. We also show the formulation of TWA with (winding)number-phase representation, which is useful in our problem.


日時:2021年7月7日10:45-

教室:Zoomによるオンライン配信

発表者:水野 竜太(京都大学)

題目:Development of efficient approximation methods in dynamical mean field theory for multi-degree-of-freedom systems

概要:Although several impurity solvers in the dynamical mean field theory (DMFT) have been proposed, especially in the multi-degree-of-freedom systems, there are practical difficulties arising from a trade-off between costs and applicability. At least in principle, exact methods, such as the continuous quantum Monte Carlo method (CT-QMC)[2] and the exact diagonalization method (ED) [3], have a broad scope of application. However, especially in multi-degree-of-freedom systems, it is not uncommon that we cannot carry out the calculation practically due to its very high numerical costs. On the contrary, the iterative perturbation theory (IPT) [4-6] has a very low numerical cost, although its scope of application is quite limited.

  Given the above, in this study, we provide a new interpretation for IPT from the perspective of the frequency dependence of the two-particle vertices and extended the method such that it can be applied to multi-degree-of-freedom systems [7]. We validated this method by applying it to several models, such as the single-orbital square lattice, the two-orbital square lattice, and the bilayer model, and by comparing it with the numerically exact CT-QMC method. We confirm that our method shows good agreements with CT-QMC. We also propose a simplification of the local two-particle full vertex inspired by the new interpretation of IPT. By using this simplified form of the full vertex, we also develop two low-cost methods to take into account the non-local correlation to DMFT. We apply these methods to the models mentioned above and confirm that our methods can capture important behaviors such as the pseudo-gap. In this talk, we explain the details of the methods and the results.

Reference

[1] A. Georges, G. Kotliar, W. Krauth, and M. J. Rozenberg: Rev. Mod. Phys. 68, 13 (1996).

[2] A. N. Rubtsov, V. V. Savkin, and A. I. Lichtenstein: Phys. Rev. B 72, 035122 (2005).

[3] M. Caffarel and W. Krauth: Phys. Rev. Lett. 72, 1545 (1994).

[4] H. Kajueter and G. Kotliar: Phys. Rev. Lett. 77, 131 (1996).

[5] M. S. Laad et al.: Phys. Rev. B. 73, 045109 (2006).

[6] N. Dasari et al.: The European Physical Journal B. 89, 202 (2016).

[7] R, Mizuno, M. Ochi, K. Kuroki: arXiv:2101.04466


日時:2021年7月14日10:45-

教室:31号館8F 31-808教室 + Zoomによるオンライン配信

発表者:井上拓海(宇宙論研究室)

題目:ニューラルネットワークの学習法

概要:ニューラルネットワークは学習という予め与えられた訓練データを元に最適な重みパラメータを決定することができるという特徴を持つ。学習の基本は学習の指標となる損失関数を最も小さい値を得るように重みパラメータを変えて勾配を更新を繰り返すというもので、その手法には単に扱っている損失関数の数値微分と連鎖律を元にした誤差逆伝播法によるものがある。今発表では、損失関数を指標にした学習の手法である数値微分によるものと、誤差逆伝播法による手法を説明する。また、ニューラルネットワークの学習を行う上で重要なテクニックであるパラメータの更新方法、重みパラメータの初期値の与え方、Batch NormalizationDropout などの現代のニューラルネットワークに使われている技術を説明する。


日時:2021年7月21日9:00-

教室:Zoomによるオンライン配信

発表者:Güngördü, Utkan  (Laboratory for Physical Sciences)

題目:Robust implementation of quantum gates despite always-on exchange coupling in silicon quantum dots

概要:Single spin qubits in SiMOS quantum dots provide a promising platform for scalable quantum computing, owing to well-developed fabrication techniques and suppressed Overhauser effect due to isotropic enrichment, with gate fidelities ultimately limited by charge noise. Although qubit frequencies and exchange coupling strengths are electrically controllable, there can be severe constraints on the range of tunability and bandwidth, leading to always-on couplings and crosstalk. We consider a double quantum dot device working in this regime with always-on exchange coupling [1], and describe how a controlled-Z (CZ) gate and arbitrary one-qubit gates which are robust against charge noise can be implemented by smoothly pulsing the microwave source while eliminating the crosstalk [2]. We find that the most significant deviations from the rotating wave approximation, which are analogous to the Bloch-Siegert shift in a two-level system, can be compensated using local virtual gates. These results can be extended to a linear chain to three quantum dots [3].

[1] W. Huang, C. H. Yang, K. W. Chan, T. Tanttu, B. Hensen, R. C. C. Leon, M. A. Fogarty, J. C. C. Hwang, F. E. Hudson, K. M. Itoh, A. Morello, A. Laucht, and A. S. Dzurak; Nature (London) 569, 532 (2019)
[2] U. Güngördü, J. P. Kestner; Phys. Rev. B 101, 155301 (2020)
[3] D. W. Kanaar, S. Wolin, U. Güngördü, J. P. Kestner; arXiv:2101.08840 (2021)


日時:2021年7月28日10:45-

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発表者:諏訪みづき(一般相対論・宇宙論研究室)

題目:Schwarzschildブラックホールにおける粒子の軌道半径   ~インフレーション宇宙論におけるブラックホールのダイナミクス~

概要:2019年4月10日に、EHT国際共同研究グループが楕円銀河M87の中心にある巨大ブラックホールの撮影に成功したことを発表した[1]。その結果は、ブラックホール時空における光の振る舞いについて一般相対性理論が予言する通りであった。ブラックホールを記述するうえで最も単純な解は、Schwarzschild時空である。本発表では、球対称真空ブラックホールであるSchwarzschild時空での光の測地線方程式を考えることにより、光の捕獲半径がどのように決まるのかを解説する[2]。そして、質量のある粒子の最小安定軌道(ISCO)の大きさを解説する[3]。

また、Schwarzschild時空は、十分遠方ではMinkowski時空になる漸近平坦時空である。しかし、我々の宇宙は、現在ダークエネルギーにより加速膨張しており、初期にはインフレーションという加速膨張を経験している。こうした加速膨張は、漸近平坦ではなく、de Sitter(ドジッター)時空に漸近していることが分かっている。そのため、宇宙論におけるブラックホールのダイナミクスを理解する上では、背景時空がインフレーションを表すような漸近的de Sitter時空上のブラックホールが重要である。そこで、本発表では、スカラー場のポテンシャルがゆっくり進化するslow-rollインフレーション宇宙論におけるブラックホールについて考察する[4]。

参考文献:

[1] The Event Horizon Telescope Collaboration The Astrophy. J. 875,L1(2019)

[2] 須藤 靖、一般相対論入門[改定版]、日本評論社、2019年9月25日

[3] Ted Jacobson. Where is the extremal Kerr ISCO? Class. Quantum Grav. 28 187001(2011)

[4] R. Gregory, D.Kastor, J.Traschen, Classical and quantum Gravity 35, 155008, (2018)


日時: 2021年10月6日9:00-

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発表者1: 田中 貴之(量子多体)

題目: 冷却原子Bose凝縮系の遠隔実験装置Albertを用いたBogoliubov励起の異常トンネル効果の観測に向けて

概要: 1995年に冷却原子気体からなるBose-Einstein凝縮体(BEC)が初めて実現されて以降、このBECに関して実験・理論の両面から様々な研究が行われてきた [1]。一様系の弱く相互作用するBECは、長波長領域で音波的で短波長領域で一粒子的な素励起を持ち、その素励起はBogoliubov励起と呼ばれる。KaganらはこのBogoliubov励起の斥力ポテンシャルに対するトンネル効果を調べ、長波長領域で励起エネルギーを減少させるとトンネル確率が増大して、エネルギーがゼロになる極限で完全透過になることを示した [2]。これは、エネルギーゼロ極限で完全反射となる一粒子の場合と対照的であり、そのため異常トンネル効果と名付けられた。後続の研究で、異常トンネル効果がBECの超流動性、Josephson効果、自発的対称性の破れなどの重要な性質と密接に関係していることが明らかにされた[3,4]。このように興味深い現象であるにもかかわらず、この異常トンネル効果を実験観測はいまだに達成されていない。

本研究では、ColdQuanta社のクラウド型BECであるAlbert [5]を用いてBogoliubov励起の異常トンネル効果を観測することを目的とする。本発表では、そのために現在までに学習したこととして、初めに希薄 Bose 気体のBECの素励起を記述する基本的な理論であるBogoliubov 理論について紹介する[1]。具体的には、BECの振る舞いを記述するために重要となる定常Gross-Pitaevskii 方程式、さらに Bogoliubov 励起の振る舞いを記述するBogoliubov方程式を導く。次に、Bogoliubov 理論を用いて、δ関数型の障壁ポテンシャルの場合[3,4]におけるBogoliubov励起の透過確率を計算し、異常トンネル効果について説明する。

 

[1] C. J. Pethick and H. Smith, “Bose-Einstein Condensation in Dilute Gases”, (Cambridge University Press, Cambridge, 2008).

[2] Yu. Kagan, D. L. Kovrizhin, and L. A. Maksimov, Phys. Rev. Lett. 90, 130402 (2003).

[3] 土屋俊二, 物性研究, 94, 2-25 (2010).

[4] 段下一平, 物性研究, 85, 96-125 (2005).

[5] https://bec.coldquantaapis.com


発表者2: 木屋 晴貴(量子制御)

題目: Off Resonance Errorに耐性を持つ複合量子ゲート

概要: 量子制御において,複合量子ゲートとは複数の量子ゲートを組み合わせて制御を行うことで、エラーに対して耐性を持つ量子ゲートを作る手法のことを指す。本発表では系統的なエラーとして主に考えられるもののうちの1つ、Off Resonance Errorに耐性を持つ複合量子ゲートに着目する。今までOff Resonance Errorに耐性を持つ複合量子ゲートはあまり盛んに研究が行われておらず、すでに知られているCORPSE[1]と呼ばれる複合量子ゲートばかりが使用されていた。しらみつぶし的に探索し,多数のOff Resonance Errorに耐性を持つ複合量子ゲートが存在することを確認した。本発表では計算の解説を行い、Off Resonance Errorに耐性を持つ複合量子ゲートの幾何学的意味を議論する。

 
[1] H. K. Cummins, G. Llewellyn, and J. A. Jones, Phys. Rev. A 67, 042308 (2003).

発表者3: 片山 舞人(量子多体)

題目: 光格子を用いてMaple leaf格子中のBose粒子系を実現する方法の提案

概要: 1938年の液体ヘリウム4における超流動性の発見以来、超流動現象に関する理論的、実験的研究は長らく行われてきた。1995 年の冷却原子系におけるボース・アインシュタイン凝縮体の実現によって、超流動現象の研究は再び盛んになっている。この10年間で光格子の高速振動や負の絶対温度を用いてホッピングJの符号を実効的に反転させることができるようになった[1,2]。ホッピング符号反転と三角光格子を組み合わせることで、人工的に幾何学的フラストレーションを持つ系が実現され[1]、それ以来そのような系での超流動現象が盛んに研究されている。ごく最近になって、単一サイト解像度を持つ顕微鏡を搭載した三角光格子系が開発されたように、フラストレーションを持つ量子系の量子シミュレーションは大きな発展を見せている[3,4]。

本研究では、 幾何学的フラストレーションを持つ新規な系として、Maple leaf 格子上の量子スピン系を光格子中の Bose 気体を用いて実現する方法を提案することを目的とする。本発表では、Maple leaf格子の特徴を説明し、格子間隔の異なる二つの三角光格子を重ね合わせることでMaple leaf格子型の光格子を作ることができることを指摘する。一次元鎖と三角格子におけるエネルギーバンド構造の計算方法をおさらいした後に、Maple leaf格子におけるバンド構造を計算する。その結果から、基底状態における波動関数の位相の空間配位を議論する。

 

[1] J. Struck et al., Science, 333, 996 (2011).

[2] S. Braun et al., Science, 339, 52 (2013).

[3] R. Yamamoto et al., New J. Phys. 22, 123028 (2020).

[4] L. Liu et al., PRX Quantum 2, 020344 (2021).


日時: 2021年10月13日9:00-

教室: 17-402教室 + Zoomでのオンライン配信

発表者1:神田 大樹(量子多体)

題目: イオントラップ系におけるフォノンの超流動現象

概要: 理想Bose気体が転移温度以下になると、Bose-Einstein-condensation (BEC)を起こすことはよく知られている。しかしながら、理想Bose気体は粒子間の相互作用は含まれておらず、Bose気体である冷却原子気体や液体ヘリウムの超流動現象を説明することはできない。BECしたマクロな数の粒子が同じ振る舞いを起こすことに加えて、原子間に斥力相互作用が働くことが、超流動現象を起こす要因となっている。冷却原子気体と液体ヘリウムでは原子間に斥力相互作用が働くため圧縮率が正の値となる。結果として、散乱体がある場合も原子の散乱は起こりにくくなり、マクロな現象として超流動現象が現れる。

一方で今回研究対象とするトラップされたイオン集団では、各イオンの振動状態をフォノン、2つの内部状態を量子ビットとして扱う。この二つがレーザーによる相互作用で結合したとき、この系はJaynes-Cummings-HubbardJCH)模型で記述される。先行研究[1]で、JCH模型で記述されるフォトンが超流動性を持つことが示すとされている。JCH模型は冷却原子や液体ヘリウムとは異なり、Bose粒子間の相互作用はなく、代わりにフォノンと量子ビットのレーザーによる相互作用があり、この効果で超流動性が現れていると予想される。イオントラップ系のフォノンの超流動性の発現機構を明らかにするために、本研究では前述のフォノンの超流動性を調べ、安定性について研究していく。本発表においてはこれまで学んだ超流動現象の特徴を紹介し、冷却原子気体を例として用いてBose粒子間の相互作用と超流動性の関係を解説する[2]。また、トラップされたイオン集団がどのような状況においてJCH模型で記述される量子多体系となるのかを説明する。[3]

[1] Peter Pippan, Hans Gerd Evertz, and Martin HohenadlerExcitation spectra of strongly correlated lattice bosons and polaritonsPhys. Rev. A 80, 033612 – Published 16 September 2009

[2] C. J. Pethick , H. SmithBose–Einstein Condensation in Dilute Gases

[3]占部伸二、「個別量子系の物理―イオントラップと量子情報処理―」


発表者2: 中村 優希(量子多体)

題目: 光ピンセットで配列したRydberg原子集団における表面臨界現象

概要: 近年大きな発展を遂げている量子シミュレーションのうち、Rydberg原子は原子間の相互作用により様々な量子スピンモデルへのマッピングが可能であるため、Rydberg原子系は量子スピン系のシミュレーションのための有望なプラットフォームとして注目されている。2016年に個々に制御された冷却原子の1次元配列が実現されて[1]以来、光ピンセットを用いて規則正しく配列されたRydberg原子系の高い制御性を利用して、量子シミュレーションへの応用研究が進められている。これまでに最大256個の中性原子配列を使用した制御可能な量子シミュレーターが実現されており、これによって新しい量子相やそれに関連する相転移が実験的に示されている[2]。

本研究では量子相転移における表面臨界現象をRydberg原子系で観測する方法の提案をすることを目的とする。表面臨界現象とは臨界性の無いはずの1次相転移においても、界面を調べることで現れる臨界現象のことである。光格子中Bose気体系で表面臨界現象が現れることはすでに理論的に提案されている[3]。しかしながら、光格子系では閉じ込めポテンシャルの非一様のため原子気体の端がぼやけるのに対して、光ピンセットでは原子集団の端が明瞭であるため、Rydberg原子系の方が比較的表面臨界現象の実現に向いていると考えられる。本発表では表面臨界現象をリドベルグ原子系で観測するための第一歩として、縦横磁場Ising模型における簡単な場合での表面臨界現象について記述する準備を行う[4]。具体的には、1次相転移近傍の反強磁性秩序変数の運動を記述するGinzburg-Landau(GL)方程式を導出する。微視的模型から得られる一様系の平均場自由エネルギーおよびスピン波の分散関係をGL方程式のそれらと対応づけることで、GL方程式に現れる係数を全て決定する。

参考文献:

[1] M. Endres et al., Science 354,6315(2016)

[2] S. Ebadi et al., Nature 595,227-232(2021)

[3] I. Danshita et al., PHYSICAL REVIEW A 91, 013630 (2015)

[4] Y. Kato and T. Misawa, PHYSICAL REVIEW B 92, 174419 (2015)


発表者3: 宮井 誠一郎(量子多体)

題目: 2次元量子Ising模型における相関の伝搬速度

概要: 1981年にFeynmanによって興味の対象の量子多体系を制御性の高い別の量子多体系で再現する量子シミュレーションが提唱されてから、今日までにさまざまな量子シミュレーションが実現されてきた[1]。ここ数十年で大きな発展が見られたのが光ピンセットで個別に捕捉したRydberg原子系によるもので[2]、この系を用いて256サイトもの大きなシステムサイズの2次元量子イジング模型が実装されている[3]。この量子シミュレータは特に非平衡ダイナミクスの解析に優位性を持っており、古典計算機で解析できない大きな系の長時間ダイナミクスにアクセスできる。

量子多体系における興味深い非平衡ダイナミクスの一つとして、相関の伝搬が挙げられる。例えば、横磁場量子イジング模型で、あるサイトに摂動を加えると、その影響は有限の速度で広がっていく。この相関の伝搬速度の上限がどれくらいになるかは1次元の場合は厳密に解けるが[4]、2次元の場合は厳密に解くことはできない。

本研究ではRydberg原子系の量子シミュレーションによって実現される2次元量子Ising模型において、スピン波近似に量子補正を加えることで、より正確な相関伝搬速度の目安を与えることを目的としている。本発表ではそのための準備段階として、Rydberg原子集団を用いた量子シミュレーションによって実現される縦横磁場反強磁性Ising模型を紹介する。平均場近似を用いてこの系の秩序相と無秩序相の間の量子相転移を記述し、それに基づいて実際に実験で観測された相転移を定性的に説明する。加えて、1次元横磁場Ising模型における群速度の上限の導出をおさらいする。

[1] Feynman, Richard P. “Simulating physics with computers.” Int. J. Theor. Phys 21.6/7 (1999).

[2] A. Browaeys and T. Lahaye, Nat. Phys. 16, 132 (2020).

[3] S. Ebadi et al., Nature 595, 227 (2021).

[4] S. Sachdev, “Quantum Phase Transitions” (Cambridge University Press, Cambridge, 2011).


発表者4: 數田 裕紀(量子多体)

題目: 光格子中Bose気体の量子シミュレーション遠隔実験に向けて

概要: 2002年に超流動・Mott絶縁体相転移が観測されて以来[1]、光格子中の冷却原子気体の系が盛んに研究されてきた[2]。この系は、パラメータ制御性が高いこと、孤立系であるため冷却原子のコヒーレンス時間が長いことが特徴として挙げられる。これらの特徴を活かして、アナログ量子シミュレータとしての利用が進んでいる。特に、光格子中Bose気体を用いたBose-Hubbard模型の量子シミュレータは、系の平衡状態の性質が比較的単純であるため、非平衡ダイナミクスの研究に適している。

本研究では、京都大学量子光学研究室の量子シミュレータを使用し、古典計算機では精密な解析が難しい以下の二つの非平衡現象の観測を目指す。1つ目は、3次元光格子中Bose原子気体の超流動相におけるHiggsモード[3]、2つ目は1次元トラップポテンシャル中冷却原子の非エルゴード的な振る舞い[4]である。本発表では、1つ目に関して、超流動・Mott絶縁体相転移の近傍にある超流動Bose気体の集団励起の近似的な記述法をおさらいし、この系がNambu-Goldstoneモード(秩序変数の位相揺らぎに対応)とHiggsモード(秩序変数の振幅揺らぎに対応)を持つことを説明する[3]。先行研究[5]で実施された2次元系でのHiggsモードのエネルギーギャップの観測実験を参考にして、量子シミュレータを用いて3次元のHiggsモードを励起して観測する方法について議論する。2つ目に関しては、固有状態熱化仮説[6]についておさらいし、当該系でどのような機構で固有状態熱化仮説を破る振る舞いが現れるのかを考察する。具体的には、相互作用の大きい領域で系が従う有効模型の導出[4]を再現し、その有効模型の観点から非エルゴード的な振る舞いを理解する。

[1]M. Greiner, O.Mandel, T. Esslinger, T. W. Hansch, and I. Bloch, Nature (London) 415, 39 (2002).

[2] I. Bloch, J. Dalibard, and W. Zwerger, Rev. Mod. Phys. 80, 885 (2008).

[3]K. Nagao, “Fluctuations and Non-Equilibrium Phenomena in Strongly-Correlated Ultracold Atoms”, (Springer, Berlin, 2020).

[4] M. Kunimi and I. Danshita, arXiv:2108.01238.

[5] M. Endres, T. Fukuhara, D. Pekker, M. Cheneau, P. Schauβ, C. Gross, E. Demler, S. Kuhr,

and I. Bloch, Narute 487, 454 (2012).

[6] L. D’Alessio, Y. Kafri, A. Polkovnikov, and M. Rigol, Adv. Phys. 65, 239 (2016).


日時: 2021年10月27日10:45-

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発表者: 小久保 治哉(物性理論)

題目:Critical velocity of quantized vortices generation in small Bose-Einstein condensate

概要:When a potential obstacle moves at a speed faster than the critical speed in a cold atomic gas Bose-Einstein condensate (BEC), a quantized vortex is generated in the obstacle’s wake [1-2]. Considering the compressibility of superfluid and the quantum pressure effect near the cylinder boundary, it has been predicted that the critical velocity $v_c$ is similar to $0.37C_s$ when the obstacle is sufficiently large compared to the recovery length of the superfluid [3-5]. $C_s$ is a sound speed. In numerical calculations for BEC with small chemical potential, there were results that a critical velocity is smaller than the expected one [6].

In this study, I investigate the cylindrical companion flow of a small-scale cold atomic gas and its quantum vortex generation by numerical calculations, and evaluate the critical speed in a small-scale BEC. I confirm the dependence of the critical speed on the actual scale of the cold atomic gas.

[1]G. W. Stagg, N. G. Parker, and C. F. Barenghi, J. Phys. B 47, 095304 (2014)

[2]Kazuki Sasaki, Naoya Suzuki, and Hiroki Saito, Phys. Rev. Lett. 104, 150404 (2010)

[3]S. Rica, Physica D 148, 221 (2001)

[4]C.-T. Pham, C. Nore, and M.E. Brachet, Physica D 210,203 (2005)

[5]Woo Jin Kwon, Geol Moon, Sang Won Seo, and Y. Shin, Phys. Rev. A 91, 053615 (2015

[6]B. Jackson, J. F. McCann, and C. S. Adams, Phys. Rev. Lett. 80, 3903 (1998)


日時: 2021年11月10日10:45-

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発表者: Mikkelsen, Mathias (量子多体)

題目: Resonant superfluidity in the asymmetric Fermi-Hubbard model with on-site Rabi coupling

概要: Progress in cold atomic experiments has enabled the control of interactions and spin-specific tunneling rates in effective Fermi-Hubbard models by exploiting Feshbach resonances and state-dependent optical lattices [1]. In this study we investigate such an asymmetric Fermi-Hubbard model (AFHM) with on-site Rabi coupling between the spin components. In particular we are interested in the limit where one component is almost immobile and superfluidity is suppressed in favor of charge-density-wave order for the Fermion-Fermion pairs that form at attractive interactions [2].

For a symmetric Hubbard model the Rabi coupling is entirely equivalent to a magnetic field for an appropriate rotation of the Hamiltonian which diagonalizes the on-site local Hamiltonian, but for the AFHM a similar rotation results in both an effective magnetic field and an additional tunneling term which transforms between the species. We investigate the model numerically utilizing the DMRG method and derive an effective Hamiltonian for the low-energy sector in the paired phase. We show that superfluidity is resonantly enhanced when the Rabi coupling is slightly smaller than the interaction strength. However, as the Rabi-coupling becomes equal to the interaction strength a transition to a polarized phase takes place as it also contributes to an effective magnetic field. This resonant enhancement allows for superfluidity even when one of the physical components is entirely immobile.

[1] F. Schäfer, T. Fukuhara, S., Sugawa, Y. Takasu, Y. Takahashi Nat Rev Phys 2, 411–425 (2020).
[2]  M. A. Cazalilla, A. F. Ho, and T. Giamarchi, Phys. Rev.Lett. 95, 226402 (2005)


日時: 2021年11月17日10:45-

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発表者: 鏡原 大地(量子多体)

題目: Finite temperature phase diagram of a three-dimensional spin-dependent Fermi Hubbard model

概要: Recent experimental developments in ultracold atomic physics enable us to simulate various interesting many-body systems. Combining state-dependent optical lattices [1,2], Feshbach resonances [3], and Rabi coupling between two internal states induced by microwaves or lasers [1,2], one can realize a spin-dependent Fermi Hubbard model (SDFHM) [4].

In this work, we investigate a finite temperature phase diagram of a three-dimensional SDFHM with an attractive interaction. In the ordinary Fermi Hubbard model, the so-called Bardeen-Cooper-Schrieffer (BCS)-Bose-Einstein Condensate (BEC) crossover phenomenon is expected. We first review the BCS-BEC crossover based on the Nozières-Schmitt-Rink (NSR) theory [5,6] in the standard Hubbard model. We extend the NSR approach to SDFHM and discuss how differences in hopping amplitudes and Rabi coupling affect the superfluid phase transition temperature.

[1] L. Krinner, M. Stewart, A. Pazmino, J. Kwon, and D. Schneble, Nature 559, 589 (2018).
[2] L. Riegger, Ph.D. Thesis (2019).
[3] C. Chin, R. Grimm, P. Julienne, and E. Tiesinga, Rev. Mod. Phys. 82 1225 (2010).
[4] W. V. Liu, F. Wilczek, and P. Zoller, Phys. Rev. A 70, 033603 (2004).
[5] P. Nozières and S. Schmitt-Rink, J. Low. Temp. Phys. 59, 195 (1985).
[6] H. Heiselberg, in “The BCS-BEC Crossover and the Unitary Fermi Gas”, edited by W. Zwerger (Springer, New York, 2011). 


日時: 2021年11月24日10:45-

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発表者: 久木田 真吾(量子制御)

題目: Geometric Property of Off Resonance Error Robust Composite Pulse

概要: The precision of quantum operations is affected by unavoidable systematic errors. A composite pulse (CP), which has been well investigated in nuclear magnetic resonance (NMR), is a technique that suppresses the influence of systematic errors by replacing a single operation with a sequence of operations. In NMR, there are two typical systematic errors, Pulse Length Error (PLE) and Off Resonance Error (ORE). Recently, it was found that PLE robust CPs have a clear geometric property [1] . In this study, we show that ORE robust CPs also have a simple geometric property, which is associated with trajectories on the Bloch sphere of the corresponding operations [2]. We discuss this geometric property of ORE robust CPs using two examples.

[1] Y. Kondo and M. Bando, Journal of the Physical Society of Japan 80, 054002 (2011).

[2] S. Kukita, H. Kiya, and Y Kondo, Preprint at https://www.researchsquare.com/article/rs-1022466/v1

日時: 2021年12月1日10:45-

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発表者: 上田 宏(大阪大、量子情報量子生命)

題目: Development of quantum spin solver QS3 and its application

概要: Exact diagonalization solvers for quantum spin systems, such as TITPACK [1], KOBEPACK [2], SPINPACK [3] and  [4], have been used by many researchers to analyze many-body physics because they allow anyone to easily obtain numerical exact solutions for small numbers of many-body systems. Since these solvers use bit representations for specifying spin states and deal with degrees of freedom that increase exponentially with the system size, they can only perform calculations for quantum spin systems with a few tens of sites. On the other hand, the degrees of freedom for the system in the vicinity of the perfect ferromagnetic state diverge polynomial with the system size, and thus we can perform exact diagonalizations for large-scale quantum spin systems with several hundred to one thousand sites in principle.

   We have improved the prototype solver developed for the S=1/2 XXZ model in our previous work [5], and released a simulator for quantum many-body calculations called QS3 [6]. The solver can not only obtain eigenstates for quantum spin systems in the vicinity of saturation magnetization, but also numerically exactly perform quantum circuit simulations that satisfy the particle number conservation law starting from such states. In this seminar, the computational principle of the quantum spin solver QS3 and the above applications will be explained, and the relevance to the interdisciplinary project of tensor networks and quantum computation that the speaker has been working on recently in JST PRESTO [7] will be introduced.

 

[1] http://www.stat.phys.titech.ac.jp/~nishimori/titpack2_new/index-e.html

[2] http://quattro.phys.sci.kobe-u.ac.jp/Kobe Pack/Kobe Pack.html

[3] http://www-e.uni-magdeburg.de/jschulen/spin/

[4] M. Kawamura, et al., Comput. Phys. Commun. 217, 180 (2017).

[5] D. Yamamoto, HU, et al., Phys. Rev. B 96, 014431 (2017).

[6] HU, S. Yunoki, and Tokuro Shimokawa, arXiv:2107.00872.

[7] https://www.jst.go.jp/kisoken/presto/en/project/1112090/1112090_2019.html

注記:総合理工学研究科の学際セミナーとして開催


日時: 2021年12月8日10:45-

教室: Zoomでのオンライン配信

発表者: 関澤 一之(東工大)

題目: Superfluid Dynamics in Fermionic Systems: From Unitary Fermi Gas to Nuclear Systems

概要: Superflulidity is ubiquitous in both Bosonic and Fermionic systems at low temperatures. In Bosonic systems, superfluidity is realized by formation of a Bose-Einstein condensate (BEC) where all particles occupy the lowest energy state. In Fermionic systems, on the other hand, superfluidity is realized through the Cooper pairing mechanism, where two Fermions form a correlated state with an integer total spin, which behaves like a Boson. The most standard scenario (s-wave superfluidity) is realized when all Cooper pairs condense in a zero-momentum state. In the seminar, I will focus on superfluidity in Fermionic systems.Microscopic description of Fermionic superfluids is far more complicated than Bosonic one, since one has to deal with a huge number of quasiparticle wave functions in the system that self-consistently generate superfluidity. Moreover, Fermionic superfluids exhibit various phenomena that are absent in bosonic systems. For instance, one can introduce “spin polarization” to the system, i.e., imbalance of the numbers of spin-up and spin-down particles, which frustrate the Cooper pairing mechanism. As a result, a spontaneous spatial separation of a fully-paired superfluid component from unpaired one was observed experimentally (see, e.g., Refs.[1,2]). A natural question is: how does it affect properties of quantum vortices and their dynamics?

In the seminar, I will give you an answer based on microscopic dynamic simulations employing time-dependent density functional theory (TDDFT) [3] extended for superfluid systems, known as time-dependent superfluid local density approximation (TDSLDA) [4]. Such fully microscopic simulations have become possible only very recently using top-tier supercomputers. Firstly, I will briefly introduce basics of DFT and TDDFT. I will then discuss solitonic excitations and their decays in spin-(un)polarized unitary Fermi gases (UFG) [5]. Our recent attempt [6] to explore quantum turbulence phenomena in rotating UFG is also digested. Finally, as long as time allows, I will discus analogous phenomena in nuclear systems, such as solitonic excitations in collisions of superfluid nuclei [7,8] as well as quantum vortices in neutron stars [9].

[1] M.W. Zwierlein et al., Science 311, 492 (2006).
[2] Y. Shin et al., Phys. Rev. Lett. 97, 030401 (2006).
[3] M.A.L. Marques et al., Fundamentals of Time-Dependent Density Functional Theory, Lecture Notes in Physics , Vol. 837 (Springer, Hidelberg, 2012).
[4] A. Bulgac, P. Magierski, and M.M. Forbes, The unitary Fermi gas: From Monte Carlo to density functionals, in BCS-BEC Crossover and the Unitary Fermi Gas, Lecture Notes in Physics, Vol. 836, pp. 305–373 (Springer, Heidelberg, 2012).
[5] G. Wlazłowski et al., Phys. Rev. Lett. 120, 253002 (2018).
[6] K. Kobuszewski et al., arXiv:2010.07464 [cond-mat.quant-gas].
[7] P. Magierski, K. Sekizawa, and G. Wlazłowski, Phys. Rev. Lett. 119, 042501 (2017).
[8] P. Magierski et al., arXiv:2111.05135 [nucl-th].
[9] G. Wlazłowski et al., Phys. Rev. Lett. 117, 232701 (2016).


日時: 2021年12月22日10:45-

教室: 31号館3F 31-302教室 + Zoomでのオンライン配信

発表者: 箱嶋 秀昭(大阪大、量子情報量子生命)

題目: Relationship between costs for quantum error mitigation and non-Markovian measures

概要: Noisy Intermediate-Scale quantum (NISQ) devices are expected to be realized in the near future and have attracted much attention in recent years. Because NISQ devices has difficulty implementing quantum error correction due to the restricted number of qubits and gate operations, they are affected by errors from the environments, such as decoherence, during the calculation process, which prevents them from performing the calculation correctly. Quantum error mitigation (QEM) is known as a method developed to mitigate such errors [1,2]. However, conventional QEM assumes Markovian gate errors, and the non-Markovian case, which appears naturally in many physical systems, has not been studied much. We investigated QEM for non-Markovian errors and evaluated the measurement costs [3]. We found that there is a relationship between the costs of QEM and non-Markovian measures. In this presentation, we will start from the explanation of conventional QEM and the definition of Markovianity, and explain our results based on it.

[1] K. Temme, S. Bravyi, and J. M. Gambetta, Phys. Rev. Lett. 119, 180509 (2017)
[2] S. Endo, S. C. Benjamin, and Y. Li, Physical Review X 8, 031027 (2018)
[3] H. Hakoshima, Y. Matsuzaki, S. Endo, Phys. Rev. A 103.012611 (2021)


2020年度

2019年度